「見た目」がチャンスをつかむ
人間は見た目じゃない、中身が大切。
これには異論ありません。
本当の勝負は中身で決まると思います。
でも、中身の前に「見た目」があるわけで、
見た目が良くないと、中身を見てもらえるところまでたどり着けないんじゃないかな、と思うんです。
リンゴを買うにしても、味が分からなければ、色や形で選びますよね。
見た目がいい方が多くのチャンスを得る
というのは、
差別とかではなく、ごく当たり前のことです。
だから、見た目を気にしないというのは、
非常にもったいないこと。
と、僕は思います。
槍中村の話
これは菊池寛の「形」という小説ですが、
見た目が相手にどれだけ影響を与えるか、
という例えで、面白いのでご紹介します。
摂津藩に、中村新兵衛という武将がおりました。
その名を知らない者はいないくらいの槍の名手で、
戦のときは、華やかな鎧兜を身につけ、
ひと目でそれと分かる出で立ち。
「槍中村」と敵からは恐れられ、
味方からは絶大な信頼を集めていました。
ある日のこと…
新兵衛が息子のように可愛がっていた若武者が、
戦の初陣を迎えました。デビュー戦ですね。
是非とも新兵衛の鎧兜を貸してほしいと懇願され、
新兵衛は快諾、自分は目立たない甲冑で戦に臨みました。
(スペアはなかったのか…)
すると、いつもは怖気付いていた敵兵が、
存分に力を発揮し、新兵衛は苦戦します。
明らかに、相手が調子に乗っているわけです。
普段の倍の力を出しても、なかなか勝てない…
そしてついに、相手の槍に脾を刺し貫かれてしまいます。
皮肉なことに、新兵衛の鎧兜を身につけた若武者は、
その戦で大活躍したということです。
派手な鎧兜が「槍中村」のイメージを作っていたんですね。
見た目を変えると中身が変わる
見た目にこだわる人は、
「こうなりたい」という自分のイメージがしっかりしていると思います。
見た目にこだわらない=自分を大事にしていない
とは言いませんが、
ともすると「どうでもいい人」として扱われてしまうかもしれません。
だから、カッコつけるのは恥ずかしいという人も、
人間は、見た目でイメージを作ってしまうということは、
知っておいた方がいいと思います。
中村新兵衛の「見た目」を借りて活躍した若武者のように、
中身を変えるために「見た目」を利用するのも、効果的だと思います。
最初はフェイクでも、だんだんそういうイメージを植え付けていけば、
本当にそうなっていくのではないでしょうか。
ビビるくらい高い服を買って、
だんだん自分がそれに合わせていくような感じ、です。
そして、しっかりつくりあげた「見た目」は、
時が経つと、それ自体が大きな意味を持つようになると思います。
ん?見た目を「しっかりつくる」といえば…
そうだ、筋トレしよう。